マザー・ジョセフ

修道女マザー・ジョセフ

ワシントンD.Cにあるアメリカ合衆国国会議事堂には、国立彫像ホールと呼ばれるスペースがあります。

このスペースには、全米50州を代表する著名人の栄誉をたたえるため、各州から寄贈された彫像が展示されており、各州2体、合計100体の彫像が置かれています。

100体の彫像の中には、ジョージ・ワシントンをはじめ、ロジャー・ウィリアムズにカメハメハ大王など実に様々なものが見られます。
この中で、ワシントン州を代表する人物として彫像にもなっているのが、修道女であるマザー・ジョセフという女性です。

マザー・ジョセフは1823年、カナダのモントリオール近郊にあるセントエルザールに生まれ、20歳で修道女会に入会、1956年にはアメリカ合衆国太平洋岸北西部区域へ派遣される修道女のリーダーに任命されました。

アメリカ合衆国太平洋岸北西部区域とは、現在のワシントン州やオレゴン州北部、アイダホ州、モンタナ州といったエリアで、マザージョセフは病院や学校、児童養護施設などを設立するために尽力しました。

現代のように交通網や宿泊施設などが整っていなかった時代ですから、活動は非常に厳しい条件で行われたと考えられます。

また、建築や仕事に必要な資金を調達するため、マザージョセフらは金を掘り当てた鉱山者を訪ねて寄付を募る「寄付金集めの旅」を行うこともあったといいます。

 

現代にも引き継がれるマザージョセフの心

こうして、マザージョセフは次々に看護学校や看護師養成学校、病院なども設立し、人々のために役立てようとしました。

マザージョセフが関わったプロビデンス病院は現在スウェーデン医療センターにサービスが引き継がれていますが、マザージョセフが立ち上げたカトリックの非営利団体としての思想は今でもさまざまな場所に残されているようです。

キリスト教会の歴史というと、どうしてもカトリックとプロテスタントの対立や、分裂などにばかり目が行ってしまいますが、教会の長い歴史の中には、マザー・ジョセフのように奉仕の心で人々の力となって活躍していた人がいたことを忘れてはなりません。