ユダヤ教原理主義

迫害されるユダヤ教とユダヤ教原理主義

神は一つ

日本においてはあまりなじみのないキリスト教やイスラム教、そしてユダヤ教などの宗教ですが、実はこの3つの宗教はいずれも同じ「神」を信じていることはご存知でしょうか。

もっとも、同じ「神」といっても、ユダヤ教とキリスト教会が神を「ヤハウェ」とし、イスラム教では「アッラー」と呼んだり、キリスト教ではヤハウェとは別に預言者であり救世主としての「イエス・キリスト」の存在があるといった違いがあります。

この3つの宗教のなかで、いいえ、現存する世界のあらゆる宗教の中で、もっとも古い宗教と言われるのがユダヤ教です。『旧約聖書』によれば、ユダヤ教は紀元前2000年ころに成立したといわれ、世界の創造主である「神(ヤハウェ)」を、唯一絶対の神として定義しています。

ユダヤ教の迫害

また、ユダヤ教の大きな特徴として、ユダヤ人が「神に選ばれ守られている民族」という、いわゆる選民思想があげられます。キリスト教がユダヤ教を迫害するに至ったのは、キリストを裏切ったユダヤ人のユダであることが大きな理由ですが、ユダヤ教の選民思想は、ユダヤ人以外の民族にとっては納得のいくものではありません。そのため、ユダヤ人のアイデンティティを支える選民思想は、長い歴史の中でユダヤ教が迫害の対象となる理由のひとつといえるのです。

ユダヤ教徒に対して行われた迫害のうち、特に大きかったのはキリスト教とイスラム教からの迫害です。キリスト教におけるユダヤ教の迫害は、キリスト教がローマ帝国から公認されるよりも前から行われていましたが、4世紀、キリスト教が公認されてからはより組織的に迫害が行われるようになりました。そしてユダヤ民族は亡国の民となり、実に2000年以上もの間「国家」を持たずにさまようことになるのでした。

そんなユダヤ民族が、シオニスト思想などと呼ばれるユダヤ教原理主義を掲げて国家を建設したのは、1948年のこと。イスラエル国家の誕生です。ただし、イスラエル国家が建国されたのは、古くからアラブ系の民族がすむパレスチナの地。アラブ民族主義とユダヤ教原理主義の対立は必至で、解決策が見つからないまま現在に至っています。